あけましておめでとうございます。
2016年のR-roomがスタートしました。
『 伝える写真、伝わる写真 』
本年もよろしくお願いいたします。
R-room 鈴木竜典写真室
鈴木 竜典 岡部 真希
こんにちは、個人的な今年の漢字一文字は「返」の鈴木です。
白黒フィルムで残すことシリーズもいよいよ最終回。
そして、前回の 〜 暗室プリント編 〜
暗室でプリントした写真を、納品に伺った時のお話です。
今回、撮影のご依頼をいただいたHさんご夫妻は、お二人それぞれのポートレイトを
モノクロ銀塩写真で、3年ごとに残していきたいという内容でした。
完成から数日後、Hさんのご自宅へ写真のお届けです。
箱にはプリントとネガが入っています。
「わぁ〜、二人の写真って何年ぶりかしら」
「フィルムのモノクロ写真って、やっぱり違うわね」
撮影した時の思い出や、それぞれの写真をじっくりと見ながら会話が弾みます。
何気ない日常の中で、自分の写真を残すという行為が、二人の特別な時間を生み出しました。
そして完成した写真には、ありのままの、“その人らしさ” が出ているのかもしれません。
この依頼を通して、改めてフィルムで残すこと、そして写真をプリントして残すこと、沢山の発見がありました。
R-roomはこれからも、その方に合った方法で、その人らしいポートレイト(人物写真)を撮影していきたいと思います。
改めまして、Hさんご夫妻、本当にありがとうございました。
こんにちは、ハタハタはブリコ派の鈴木です。
すっかりご無沙汰していました白黒フィルム残すことシリーズ
に引き続き、今回は暗室プリント編について、書いてみたいと思います。
前回のフィルム現像で完成したネガを、今度は暗室で印画紙にプリントする作業です。
白黒プリントは印画紙が感光し、現像液に浸すことで化学反応し、映像が浮かび上がってきます。
まずはネガを引き延ばし機にセットしてテストプリント(試し焼き)の作業です。
プリントしたい写真のコマを選んでネガをセットします。
ネガに必要な露光時間を見つけるために、小さく切った印画紙を使って何度も何度も
テストしていきます。実はこの作業だけでも1時間以上かかる場合もあります。
まさに根気と忍耐の作業、赤いランプの下で黙々と作業は続きます。
白黒プリントも現像 〜 停止 〜 定着と3種類の薬品に浸していきます。
テストプリントが完了したら、いよいよ本番用のプリントです。
実際に写真が浮かび上がってくる様子を動画撮影してみたのでどうぞ!
(※少し音声が出ます!)
おぉ〜、なんて不思議!神秘的!この瞬間は何度見ても感動します。
暗室の赤いランプ下で写真がこうして出来上がってきました。
写真は露光時間で明るさや暗さ、印画紙の種類などで濃度など色々変わるので何パターンか
作っておきます。定着液で現像を止めて水洗し、暗室での作業は終わりです。
その後は乾燥させプリントの状態をチェック、どのプリントがいいか選びます。
結果、なんと16枚焼いてみました!! みんな同じに見えますが、微妙に違います。
この中から最高の1枚を選び最後にプリントに写り込んだゴミを修正用絵具で修正。
マスクと手袋必須!ひとつひとつ、ゆっくり修正していきます。(ドキドキ)
パソコンでは簡単に出来ますが、手作業は緊張の連続です・・・。
こうして1枚の白黒プリントが出来上がります。
今回はお一人の写真も撮影したので、合計3枚の白黒プリントをさせていただきました。
奥様の優しい眼差しのポートレイト
ご主人の真っ直ぐで力強いポートレイト
笑顔の素敵な、二人のポートレイト
二人の特別な時間が詰まった写真がこうして完成しました。
写真納品編につづく・・・。