こんにちは、温泉大好き長湯派の鈴木です。
前回の記事で紹介した白黒フィルムを自家現像したいと思います。
フィルムには2種類の現像があります。
ひとつは『フィルムの現像』、もうひとつは『印画紙への現像(プリント作業)』です。
今回は写した白黒フィルムを現像する作業です。
作業工程は、
①薬品作り(現像液・停止液・定着液・水洗促進剤・水切液)なんと5種類!
②フィルムを現像タンクへ入れる作業。(真っ暗の中での作業、なかなか難しい)
③前浴(最初に液を入れフィルムをなじませ、現像ムラを防ぐ作業)
④現像液注入、現像作業。(現像の時間と温度管理が重要、ここで決まります)
⑤現像を停止液で止める。
⑥定着液でフィルムへ定着。
⑦水洗〜乾燥
⑧完成!
まずは現像の薬品作り、決められた水量と温度を測って薬品を溶かしていきます。
温度調整がなかなか難しい・・・。理科の実験みたいです。
現像の薬品はこちら!『ミクロファイン!』
温度が決まったら、早速投入、溶けるまで撹拌(かくはん)、撹拌。
続いてフィルムを感光しなように真っ暗な部屋で現像タンクに入れます。
(真っ暗なので写真はありません。)
薬品を作って、フィルムを現像タンクに入れたら、いよいよ現像作業開始。
撹拌と静止を繰り返していきます。(うまく現像出来ているのか、ドキドキ)
現像が終わったら、同じ様な手順で、停止、定着、水洗と進めていきます。
(現像作業と基本は同じなので今回は省略します。)
フィルムではネガが出来るまで写っているかさえ確認出来ません。
現像作業している間は「写っているのか」「いないのか」常に自分に問いかけている緊張感があります。
さて、結果は!?
ジャーーン、や、やったー!現像成功、白黒のネガが出来ました!!!
この瞬間はいつも感動しています。(一人で小踊り)
ネガをじっくり見ながら撮影していた時を思い出してみたり。
このネガからお二人の思い出の写真が出来るなんて、改めて考えると不思議ですね。
次回は暗室からお送りします。 つづく・・・。
こんにちは、苦手な食べ物は「ない」鈴木です。
今回は、冬に撮影した白黒のフィルム写真についてのお話です。
先日、個人のお客様から撮影に関してのお問い合わせをいただきました。
お客様のご要望は、3年に一度夫婦でポートレイト写真を残したいという内容。
そしてもし可能であれば、デジタルの写真ではなく、昔ながらの白黒フィルムによる
銀塩写真を残したい・・・。
私自身、写真としてのお仕事は、現在ほぼデジタルカメラでの撮影〜納品が主流です。
そうした中、今ほとんどその姿を消しつつある「白黒フィルム写真」を
ご依頼いただけるのはとても有難い機会だと思うと同時に、
その期待にどれだけ応えられるかという未知の心配もありました。
(フィルムの撮影や現像に失敗したらどうしよう。。。)
ですが、ここで「フィルム写真」を絶やさぬよう、新たな気持ちで挑戦する意味も
込めて今回は白黒フィルムで撮影させていただくことになりました。
まずはヒアリング、お客様はスタジオ撮影の様な写真ではなく、
あくまで日常の中にある写真をご希望でした。
そこで、今回はお客様のご自宅で撮影となりました。
フィルムは富士フィルムをセレクト。
昔から愛用のカメラで36枚撮り、1本勝負です。
この「36枚」と限られた中で、お二人のポートレイトを残します。
ゆっくり1枚1枚を撮っていきます。
『カシャッ』、『カシャッ』静かな中に響くシャッター音。
デジタルカメラの様にすぐには確認出来ませんが、その分濃密な時間が流れていきます。
最後にお二人のツーショットも撮影させていただいて、撮影完了。
さて、どんな写真になるのでしょうか、白黒フィルム写真の作業はまだまだ続きます。
つづく・・・。
こんにちは、グレープフルーツはピンク派の鈴木です。
久しぶりに登場しましたが、今回はポートレイトの魅力について
お話したいと思います。
portrait(ポートレイト)とは、日本語で『肖像』いう意味です。
写真の場合は「肖像」=「人物写真」になるのですが、シンプルに人物写真
といっても実はとても難しいと思っています。
皆さんはカメラに写るのが好きですか?
私自身、普段撮る側なのですが改めてカメラの前になるとドキドキします。
今ならスマホなどで気楽に写される感じもあるのですが、過去に証明写真や
集合写真など、ここぞという時の写真はやっぱりどこかしら緊張したものです。
写真を撮っていると、撮られる側、つまり被写体の方の緊張感を感じることが多くあります。
そうした中でシャッターを切る感覚はとても魅力的で、時には「撮る側」と「撮られる側」の
その場の空気感までが写真に残っている様にも思えてくるのです。
過去の写真家が残した写真集にも、ポートレイトを題材にしたものが沢山あります。
アーヴィング・ペンやジャンルー・シーフ、ロバート・メイプルソープ、
日本人なら荒木経惟(アラーキー)や篠山紀信、・・・・、などなど、
本当に沢山の写真家がポートレイトを残しています。
みんな同じテーマの『肖像写真』なのに、なぜこんなにも違うのかと、
いつも驚きと発見が多くあります。
力強い顔、かわいい顔、怒っているような顔、優しい顔、かっこいい顔、
本当に人間の持つ表情や感情を写真で残すことが単純に凄い。
私自身、2013年に『ポートレイト』というテーマで写真展を開催したのですが、
今後もポートレイト撮影をライフワークのひとつとして、また皆さんの前で
発表出来ればと思っています。
個展に展示した、私の祖父母のポートレイト。
カメラを構え、ゆっくり静かに向き合いながらシャッターを切りました。